
「〇〇してね」と伝えても動かない。呼びかけてもこちらを見ず、まるで無視されているみたいでイライラ…。
こちらの声、聞こえてるの?と、不安になることも。
でも心理的な背景を知ると、「無視しているわけじゃなかったんだ」と見え方が変わりますよ。
今回は、そんな子どもたちの行動の背景と、現場ですぐ使える声かけ4つをご紹介します。
1.なぜ「聞いていない」ように見えるのか?
実は多くの場合、子どもたちは無視しているわけではありません。
背景には、こんな理由が隠れていることがあります。
- 言葉の理解に時間がかかる
→ 言われたことを頭の中で処理するのに、少し時間がかかる子がいます。 - 一度にたくさん指示されると混乱する
→ 「準備して、手を洗って、席に座って」というように複数の指示をされると、パニックになったり、何からやればいいか分からなくなる子も。 - 今やっていることに強く集中している
→ 遊びや作業に没頭していて、声が耳に届かないほど集中している場合があります。 - 聴覚が敏感・鈍感
→ 感覚の特性で、人の声が聞き取りにくい、雑音にかき消されてしまう子もいます。
指示が聞こえない、指示が聞こえても意味が理解できない、意味が理解できても何からしていいかわからない。
「聞いてない」背景には、さまざまな段階があります。
2.今日から使える!声かけ4選
「じゃあ、どう伝えたらいいの?」という声にお答えします。
現場ですぐできる声かけのコツを4つご紹介しましょう。
①短く、具体的に伝える
✕「準備して教室に戻ってきてね」
〇「靴を履いて、教室に戻ろう」
指示はできるだけ短く、具体的に。1つか2つまでが目安です。
②名前を呼んでから伝える
「みんな」に向けて話していることが、「自分」にも向けられているのだと認識することが苦手な子がいます。
そういう子に対しては、名前を呼んで、話す人に注目させてから話し出しましょう。
③視線を合わせて伝える
声だけでなく、子どもの目線にしゃがみ、顔を見て伝えると指示が入りやすくなります。
背後から声をかけても気づかないこともあるので、真正面から。
④ひと呼吸待つ
伝えた後、すぐ反応がないからといって、何度も繰り返したり、強い語調で話したりしなくてもOK。
理解に時間がかかる場合もあるので、3〜5秒ほど待つと反応が返ってくることがあります。
まとめ
指示が通らない=無視している、と決めつけずに、背景に目を向けることが大切です。
短く、名前を呼び、視線を合わせて、待つ。この4つを意識するだけでも、伝わり方が変わります。
ぜひ、明日から試してみてくださいね!
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他の「困った行動」の背景や対応法も、これから発信していきます。小さな工夫の積み重ねが、子どもとの関係を変える大きな一歩になるよう、サポートしていきます。
フォローして、一緒に学んでいけると嬉しいです!